「心身の疲労」―副腎疲労症候群・慢性疲労・うつ症状・うつ病、不安、パニック
  • 休んでも疲れが取れない
  • 最近、気持ちが落ち込む
  • これって「うつ」かな?
  • 漠然とした不安を感じる
  • 過呼吸(パニック)になった
上記のような症状が続いている方、医療機関を受診したものの改善しない方。
もしくは原因不明と言われた方。
あなたの感じているその「とれない疲れ」、「『うつ』や『不安』症状」。
あなたのその症状には『本当の原因』が潜んでおり、
その『本当の原因』を見つけるための検査、『本当の原因』に合わせた治療や対処法が存在します。

「とれない疲れ」、「慢性疲労」、「うつのような症状」
それは「副腎疲労症候群(副腎疲労)」かもしれません。

  • ◎ 朝起きられない
  • ◎ やる気が出ない
  • ◎ もしかして、うつかな?
  • ◎ 慢性的に疲れている
  • ◎ 入浴や洗髪でさえ疲れる
  • ◎ 頭が働かない
  • ◎ 昼間眠くて仕方がない
  • ◎ うつ、適応障害と言われた
  • ◎ 過眠症、起立性調節障害といわれた
  • ◎ 自分は怠けていると思ってしまう
  • ◎ この先どうしていいかわからない
  • ◎ 夜眠れない
  • ◎ 仕事や人生の悩みが多くて気分が憂鬱だ
などなど…
上記のような症状はありませんか?
この症状は、「副腎」という臓器から分泌される「コルチゾール」というホルモンの分泌調整障害が原因かもしれません。「コルチゾール」とは身体を目覚めさせ、エネルギーを出させてくれます。また、ストレスに対抗し、アレルギーや炎症を抑える働きをする、生きていく上でとても大切なホルモンです。しかし何らかの理由により、コルチゾール分泌が低下、あるいは過剰になる、または不適切なタイミングで分泌されることによって、上記のような症状が出現するのです。こういった症状の大元には、脳内にある視床下部や下垂体からのコルチゾール分泌のコントロール不全(Hypothalamic-Pituitary-Adrenal Axis(HPA軸)機能異常)が潜んでいると思われます。これを「副腎疲労症候群」または「副腎疲労」と呼んでいます。海外では「Adrenal fatigue」と呼ばれ、比較的メジャーな症状です。

「コルチゾール」の分泌異常の具合を検査し、その原因を探り、修正していくことで「副腎疲労」は改善します。

「おおよその検査費用、治療費用」

  • 『初診時』

    初診登録料3,300円 
    診察料 10分枠毎に5,500(院長の場合)
    または15分枠毎に5,500(非常勤医師の場合)
    検査費用 62,700円~
    (重症度、各種検査の必要性によって増えることもあります)
  • 『2回目以降』

    診察料10分毎に5,500(院長の場合)
    または15分枠毎に5,500(非常勤医師の場合)
    サプリメント料金(1ヶ月分)25,000円~60,000円程度(必要に応じて変わります)
※費用はすべて税込み金額です。
実際の症例
  • CASE 1

    [49歳男性]

    2年前より朝起きるのが辛くなり、仕事へ行くのもやっと。午後になると少し体は動くものの、一日中エネルギー不足を感じている。最近、眠りが浅く何度か目覚めることがある。比較的軟便、下痢のことが多く、お腹にガスが溜まる。コーヒーを飲むと少し元気が出るので毎日飲んでいる。

    具体的な治療例

  • CASE 2

    [32歳女性]

    仕事でチームリーダーとなり仕事が忙しく、ストレスを感じている。朝早くに出勤し、夜も遅くまで仕事をしている。場合によっては仕事を家に持ち帰って作業している。最近朝起きるのが辛く、一日中動くのが辛い。記憶力、頭の回転も悪くなてきた気がする。朝食を食べる暇がない。食べても菓子パン1個。お昼もサンドイッチにコーヒー、チョコレートなどが多い。便秘気味で肌の調子も悪くなってきた。

    具体的な治療例

  • CASE 3

    [16歳男性]

    起立性調節障害と言われた。朝起きるのが辛く、学校へ行けない。運動や勉強をする体力、気力がない。朝起きれないので昼過ぎまで寝ている。昼を過ぎてやっと体が少し動くようになる。夜はそれなりに元気だが、寝つきが悪く、スマホやゲームをして時間を潰している。

    具体的な治療例

副腎疲労はなぜ起るのでしょう?
皆さんは現代社会の「ストレス」の中で生活しています。
「ストレス」と一口で言っても様々なものがあります。
「人間関係や仕事」 「食べているものからくる栄養ストレス」 
「自分の体内からくるストレス(炎症など)」
私たちの日常には、こう言った様々なストレスが存在します。
副腎は、これらすべてのストレスと戦う臓器です。
私たちがストレスにさらされた時、脳内にある視床下部や下垂体の命令で副腎からコルチゾールが分泌され、ストレスに対抗します。それが短期的なストレス、例えば「上司に叱られた」等であれば一時的なものなので特別に問題は起こりません。しかし、「何ヶ月にもわたって、大量の仕事をこなしている」「菓子パンやコーヒー、甘いものなどが食事の中心になっている」「頻回に下痢をする」「歯周病がある」などの長期的なストレスや慢性的なストレス、炎症などが併存している場合は問題です。最初は、精神的・肉体的ストレス、栄養ストレス、炎症ストレスに対抗するために、大量のコルチゾールが分泌されていたとしても、次第に分泌が不安定に、あるいは不適切になり、最終的には「十分量分泌されなく」なります。その結果「慢性的な疲労感」「朝が起きられない」「頭が働かない」「夜眠れない」などの症状が引き起されるのです。これが「副腎疲労」とよばれる症状です。
先ほど「コチチゾールが分泌されなくなる」と述べましたが、これにはいくつかのパターンがあります。一つ目は副腎が長期間にわたって酷使されたため疲弊し、コルチゾールが産生できなくなるパターン。これは一般の皆さんにもわかりやすい「副腎疲労」の説明だと思います。
もう少し正確に言うと、慢性ストレスによって大量のコルチゾールが放出され、腸粘膜の萎縮や、海馬などの脳神経の萎縮、免疫の低下といったネガティブな症状、命に関わる症状が引き起こされてしまいます。これらの症状は命に関わることがあるため、このまま大量のコルチゾールを放出し続けることは良くないと、脳(HPA軸)が判断してしまいます。そしてコルチゾールの産生が抑制され、ニ次的に低コルチゾール症状としての疲労などが出てくるのです。これはある種の自己防衛反応と考えられます。また慢性的な下垂体への刺激、炎症により下垂体の機能が低下し、コルチゾール放出のコントロールができなくなることも一因としてあります。
それと同時に我々のエネルギーの発電所である「ミトコンドリア」の機能が低下してしまい、エネルギー、すなわち元気が出なくなるという現象も起こります。

「必要な検査」
※①、②は必須検査です(すべての検査を行うわけではありません。)

  • ① 栄養採血検査 62,700円~
    ② 唾液コルチゾール検査(副腎機能検査) 30,800円~35,200
    ③ 尿中有機酸検査  61,600
  • ④ Sleep Profile 睡眠ホルモン(メラトニン)などの検査 24,200
    ⑤ 総合便検査 63,800円~88,000
    ⑥ 自律神経機能検査 (ESTECK EIS/ESO) 16,500
※費用はすべて税込み金額です。

「うつ病」「適応障害」「不安障害」「パニック障害」と言われた方、もしくは「疑い」の方。

上記のような症状でお困りの方。このような症状には3つのタイプがあります。

それは、
  • 1.脳・神経由来の症状である場合
  • 2.身体由来の症状である場合
  • 3.心(魂)由来の症状である場合
これらは、それぞれ解決方法が異なり、必ずしも「抗うつ薬」、「向精神薬」が必要な訳ではありません。
当院では、医師による問診とともに、上記の1、2、3の症状を、脳神経伝達物質検査(Nutripath社、日本で初めて診療に導入)、自律神経機能検査(ESTECK EIS/ESO、日本で初めて診療に導入)、唾液中のホルモン(コルチゾール)検査、細胞・ミトコンドリアのための栄養素採血、その他様々なバイオロジカル検査(ミトコンドリア機能検査、尿中有機酸検査、毛髪ミネラル検査、総合便検査)やカウンセリングを用いて鑑別していきます。

そして原因に応じた治療を行っていきます。

これら3つのタイプについては、以下をご覧ください。

1. 脳・神経由来の症状である場合

これは、何らかの原因によって「脳神経情報伝達」の機能低下、「脳細胞」の機能低下などが起こった場合を指します。
いわゆる精神科で取り扱う「うつ」や「パニック」もこの中に入ります。
しかし、必ずしも「脳から来るうつ様症状、パニック症状」=精神科で取り扱う「うつ・パニック」ではありません。
「脳疲労」と呼ばれる状態であったり、神経伝達物質バランスを崩していたり、自律神経バランスを崩していることが原因の場合もあります。そのような場合、精神科のお薬で改善するとは限りません。
検査
前記のように、脳に由来する「うつ」や「パニック」、「不安」などの症状では、「脳神経伝達物質」「自律神経機能」のアンバランスが多く見られます。これは、「脳神経伝達物質検査(日本初導入)」「自律神経検査(ESTECK EIS/ESO ver.3.5、日本初導入)」を用い、セロトニン、GABA、ドーパミン、ノルアドレナリン、グルタミン酸などの値の高低、交感神経・副交感神経のバランスとパワー、血管緊張度等を調べることによって判断します。これらの検査は簡単で、3つのタイプの鑑別を行うのみならず、治療方針を立てる際に有用で、治療の効果判定にも利用できます。
[検査結果例]

①脳神経伝達物質検査(結果の一部のみ表示)

②自律神経検査(結果の一部のみ表示)

2. 身体由来の症状である場合

主に、「副腎疲労」や「慢性疲労」と呼ばれるものがここに含まれます。また、「低血糖症」、「自律神経失調症」、「パニック」、「動悸・めまい」、「起立性調節障害」、「体位性頻脈症候群」とよばれる症状もここに含まれます。
「朝起きられない」「集中力が続かない」「慢性的にだるい、疲れる」「頭に霧がかかったようだ」「記憶力が落ちた」「午前中は特に憂鬱である」「性欲、精力が落ちた」「不眠症状」「動悸がする」「不安になる」「洗髪やドライヤーでの髪の乾燥で腕が辛い」、「立ちっぱなしが辛い」等々の症状が見られます。
これらは、身体由来の症状であるにも関わらず、一般的に「うつ」や「精神症状」と診断され、抗うつ薬を投与されるケースがあります。
この場合、抗うつ薬では根本的な改善は期待できません。
また、小中高生に多い「起立性調節障害」と診断された方もこのタイプであることが多いです。
検査
身体由来の「疲労・うつ様症状」であれば、コルチゾールなどの元気を出すためのホルモンの分泌異常があるかもしれません。これを「唾液中コルチゾール検査」で検出します。

唾液コルチゾール検査・Cortisol Awakening Respons Test

1.脳・神経由来の症状、2.身体由来の症状の共通の原因として、「栄養素不足」「ミトコンドリア機能低下」「重金属蓄積」「腸内環境悪化」「自律神経バランス悪化」などがあります。これらについても各種バイオロジカル検査(ミトコンドリア機能検査、栄養採血検査、尿中有機酸検査、毛髪ミネラル検査、総合便検査、自律神経機能検査)を用いて調べていきます。
※自律神経機能検査(ESTECK EIS/ESO ver.3.5)は当院が日本で初めて導入しました。
[検査結果例]

①腸内環境検査(結果の一部のみ表示)

②有害重金属検査(結果の一部のみ表示)

③尿中有機酸検査(結果の一部のみ表示)

3. 心由来の症状である場合

これは、自己成長の過程にある方、人生の分岐点に差し掛かっている方、心理的な問題を抱えている方などに当てはまります。
具体的には、
仕事に行き詰まった、この先どう生きていけば良いか分からない
人生の転換期にさしかかっている
自分の進むべき道に迷っている
自分に厳しい
などの方が相当します。
現在の心理的状態、仕事の状況、人間関係、体調(更年期等)、幼いころに見た夢、最近見た夢、成育歴、家庭環境、家族の状況(介護、病気)、自分史、などを総合的に判断し、適切なカウンセリングや、自己実現のためのセッション、ワークなど、オーダーメイドでサポートを行っていきます。そして、ご本人も気づいていない魅力や才能も引き出していきます。当院では、このタイプの症状の方に対して、専門のカウンセラーと連携し「脳」と「体」のケアもしつつ「心」のケアも行っていきます。
いかがでしょうか?例えば「うつ症状」と一言でいっても、上記のように様々なタイプがあります。
症状が同じあるいは、似ているからといって「治療法が一つであるはずがないのです」。
すなわち、全てを抗うつ薬で治そうと思っても無理なのです。
もちろん抗うつ薬が効く人もいるかもしれませんが、全てがそれで解決するほど単純なものではありません。
問題は複雑なのです。
しかしながら、「脳からくるもの」「身体からくるもの」「心からくるもの」を丁寧に鑑別し、
更にその『本当の原因』を探し出していくことで、実は治療は単純化されていきます。
あなたのその「疲労・うつ様症状」「不安・パニック症状」の『本当の原因』は何ですか?
本当の原因を探り、「あなたにとって本当に必要な治療」を受けられることをお勧めします。
このような症状でお悩みの方は当院までお問い合わせください。
『疲労・うつ症状』を例に、さらに詳しく説明していきます。
(適応障害、不安、パニック、起立性調節障害などもほぼ同様とお考えください。)
  • ◎ 朝起きられない
  • ◎ やる気が出ない
  • ◎ もしかして、うつかな?
  • ◎ 慢性的に疲れてる
  • ◎ 入浴や洗髪でさえ疲れる
  • ◎ 頭が働かない
  • ◎ 昼間眠くてしょうがない
  • ◎ 夜眠れない
  • ◎ うつ、適応障害と言われた
  • ◎ 過眠症、起立性調節障害といわれた
  • ◎ 自分は怠けているのかな?
  • ◎ この先どうしたらいいかわからない
  • ◎ 仕事や人生の悩みが多くて気分が憂鬱だ
この様な症状でお悩みの方のために、
当院では、日本初導入の「脳神経伝達物質検査」や「自律神経機能検査システム」を用いて、
あなたの「慢性疲労症状」「うつ様症状」を鑑別していきます。
ページ上部で述べた様に「慢性疲労症状」「うつ様症状」には以下の3タイプがあります。
  • 脳・神経からくる「疲労・うつ様症状」
  • 身体からくる「疲労・うつ様症状」
  • 心からくる「疲労・うつ様症状」
それぞれをさらに詳しく見ていきましょう。

1. 脳・神経からくる「疲労・うつ様症状」

脳・神経由来の「疲労・うつ様症状」は「脳疲労」と呼ばれることもあり、いわゆる精神科的「うつ病」もこの範疇に入ります。
しかし、「うつ病」はごく一部の病態であり、それ以外の多彩な脳機能低下病態が症状に起因しています。
その根本的原因はいくつもあるため、それを探っていく必要があります。

例えば、
a.セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミン等の神経伝達物質と呼ばれる脳内ホルモンの産生低下やアンバランス
(腸内環境も影響します。)
b.神経伝達物質受容体や神経細胞膜の機能低下
c.自律神経機能、視床下部、下垂体機能の低下
d.亜鉛やビタミンB6不足、ビタミンD不足などの栄養的問題
e.重金属などの影響によるミトコンドリア機能低下
f.その他生化学的、生物学的(遺伝子的SNPs、メチレーション)問題等

a~fの原因は単独であることは少なく、複雑に関係し合っています。
これらの原因を「栄養採血検査」、「バイオロジカル検査」「自律神経検査」を用いて詳細に鑑別していきます。
日本初導入となる「脳神経伝達物質検査」では脳内の神経伝達物質であるセロトニン、GABA、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、グルタミン酸などを尿検査を通じて推測していきます。上記神経伝達物質の過不足、バランスを見ることで治療方針を決めたり、治療効果を判定することが可能です。
これまで精神科などで行われていた「症状だけに基づいた診断」ではなく、「バオロジカル検査」などで科学的評価に基づいた診断・治療を行っていくことができるのです。
脳神経伝達物物質検査・尿中(結果の一部のみ表示)
脳内視床下部の中枢に存在する自律神経系の機能バランスやパワーも「疲労・うつ様症状」の出現に影響します。
同じく日本初導入の、「自律神経機能検査(ESTECK EIS/ESO ver.3.5)」にて評価し、自律神経機能のみならず、同時に血管拡張能(動脈硬化度)や耐糖能、末梢神経機能障害も評価します。
自律神経機能検査など(ESTECK EIS/ESO ver.3.5)(結果の一部のみ表示)
また、神経伝達物質は十分であっても、それを受け取る受容体機能や細胞膜の機能などが低下していることが考えられます。その場合、栄養的評価で判断していきます。
例えば、神経細胞膜を構成する脂質のバランスが悪かったり、絶対量が不足していれば、細胞機能は低下します。それらは「栄養採血検査」にて細かくチェックします。
他にも、栄養採血検査により脳機能を低下させうる栄養因子のチェックを行います。
例えば、ビタミンB6やナイアシンと呼ばれるビタミン類の低下、マグネシウムや亜鉛などのミネラル類の低下、コレステロールの低下などです。また、悪い脂質の過剰、活性酸素などによる酸化ストレスの過剰なども神経伝達、細胞膜機能、レセプター機能などを低下させ「疲労・うつ症状」をきたします。

「水銀」「鉛」「アルミニウム」「ヒ素」といった有害重金属が脳機能の低下をもたらすことがあります。神経をダイレクトに障害することもあれば、神経伝達や代謝酵素などを阻害することもあります。
その場合には、「毛髪検査」や「尿検査」で有害重金属のチェック、必須ミネラルの過不足を判断します。
それと同時に、それらの解毒能力をみる成分(グルタチオンやビタミンB12など)や解毒に関わる遺伝子(葉酸代謝遺伝子/MTHFr、メチレーション回路の遺伝子)のSNPsなどをチェックすることもできます。

治療について

「脳・神経からくる疲労・うつ様症状」と判断された場合、脳機能を正常化するための栄養素の投与、脳神経細胞膜の機能改善、サーカディアンリズムの修正、自律神経調整、ストレスケア、ミトコンドリアの機能調整、腸内環境改善、デトックス(解毒)などを行い症状の改善を図ります。

2. 身体からくる「疲労・うつ様症状」

ここにはいわゆる「副腎疲労症候群」と呼ばれるものや、「低血糖症」と呼ばれるものが入ります。最近、中高生に多い「起立性調節障害」「(特発性)過眠症」もここに入ることが多いです。
これらをきたす要因には、以下のようなものが挙げられます。

a.ミトコンドリアの機能低下
b.副腎疲労、HPA軸機能障害(コルチゾールの過剰→低下)
c.栄養素の低下や低血糖症などの代謝因子の影響
d.重金属や腸内環境、慢性炎症などの影響
e.自律神経機能(末梢)の緊張と低下
f.男性更年期、女性更年期
g.その他生化学的、内分泌的、生物学的(遺伝子的SNPs、メチレーション)問題等

a~gの原因は単独であることは少なく、複雑に関係し合っています。

30代以上の成人の場合、身体からくる「疲労・うつ様症状」の原因には、「副腎疲労」や「重金属の影響」を受けている方の割合が多いです。
中学生、高校生の「起立性調節障害」や「(特発性)過眠症」の場合、「低血糖症」や「副腎疲労」「食事の影響」、「サーカディアンリズムの悪化」が多い印象があります。
いずれも「ミトコンドリア機能低下」「栄養因子の低下」「腸内環境異常」を伴うことが多いです。
しかしながら、若い方でも重金属の影響を受けている場合もあり、成人の方でも低血糖症が見られる場合もよくあります。

上記の鑑別のため、「唾液コルチゾール検査、副腎機能検査」を用い、コルチゾールの産生低下の有無、産生パターンをチェックしていきます。
「慢性疲労症状」を呈する多くの方に共通しているのが、「副腎疲労」です。副腎とは、体や脳に活力を与えるホルモンである「コルチゾール」や「アドレナリン」など、多くの内分泌ホルモンを産生する非常に重要な臓器です。
長年のストレスや大きなストレス、もしくは体の中の気づかぬ原因(炎症や腸内環境悪化、口腔内の問題、重金属の問題、ミトコンドリア機能低下)によって、視床下部ー下垂体の命令系統(HPA軸)の機能障害から主に「コルチゾール」の産生異常をきたし、「慢性疲労症状、うつ様症状」(副腎疲労症候群)を呈するようになります。

唾液コルチゾール検査・Cortisol Awakening Respons Test

この唾液コルチゾール検査によって副腎皮質から放出されるコルチゾールの日内変動のパターンや各ポイントでの産生量、過不足を推測すると同時に、副腎疲労の有無のチェックを行います。特に朝覚醒直後に起こるコルチゾール分泌の変動(Cortisol Awakening Respons : CAR)が副腎疲労(HPA Axis機能異常)の判定に重要と考えられています。

「低血糖症」「血糖スパイク」も、慢性的な疲労、頭が回らない、うつのような症状、過度な眠気に関連します。この両者は疲労感、うつ様症状の原因でもありますが、上記の「副腎疲労、コルチゾール産生低下」の原因ともなり、慢性的な自律神経(交感神経)の緊張を引き起こします。
交感神経が緊張できているうちはまだ良いのですが、次第に副腎疲労同様、交感神経も疲労し機能が低下してきます。そうなると、慢性的な疲労感を増幅させ低血糖を増長し、悪循環に陥ってしまうのです。
当院では「簡単な採血検査」「自律神経検査」と「問診」で「低血糖症」の可能性を診断していきます。
「5時間糖負荷試験」を行っているクリニックもありますが、患者さんの負担が大きいため当院では「5時間糖負荷試験」は行っておりません。
自律神経の緊張・疲労は日本で初導入の「自律神経機能測定検査(ESTECK EIS/ESO ver3.5)」にて測定します。
また、各種栄養素の低下は、すべての細胞機能の低下や酵素活性の低下をきたします。人の活動(生命維持、思考、活動など)はすべて、細胞や酵素の活動に依存しています。栄養不足により細胞や酵素が働かなければ、思考も身体活動も鈍り、慢性的な疲労やうつのような症状を感じる場合があります。
栄養素の不足は、「栄養採血検査」や「尿中有機酸検査」、「尿中アミノ酸検査」などで測定していきます。

慢性疲労、副腎疲労、うつ様症状を語る上で、「ミトコンドリア機能」のチェックは外せません。「ミトコンドリア」は体の活力上昇、エネルギー産生、コルチゾールなどのホルモン産生、脳機能などに欠かすことのできない器官です。「ミトコンドリア機能」、「ミトコンドリア活性」を、「採血検査」、「尿中有機酸検査」にて評価していきます。
「採血検査」では、ミトコンドリアの活性化に必要な栄養素の過不足や、代謝の過程で産生される物質の評価を行います。
「尿中有機酸検査」では、ミトコンドリアのTCAサイクル(クエン酸回路)の代謝状況や脂肪燃焼(β酸化)の状況、栄養素の過不足などをチェックします。これらによって、ミトコンドリア機能の高低や問題点を判断することができるのです。

重金属の蓄積や、必須ミネラルの低下は、「毛髪ミネラル検査」「有害重金属検査」「マーキュリートリテスト」で評価します。
重金属の蓄積は、かつて「水俣病」や「イタイイタイ病」などとして問題を起こした時期がありました。「いまだに、重金属の蓄積なんてあるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、現在の日本において、「水俣病」や「イタイイタイ病」ほどの蓄積ではないにせよ、重金属を蓄積している方の割合はかなり多く、その方々の多くが慢性疲労症状、副腎疲労、ホルモン異常、うつ様症状を呈していると推察されています。当院の検査結果でも、かなりの割合で重金属蓄積、必須ミネラルの不足を認めます。
水銀などの有害重金属により、上記のようなミトコンドリア機能障害が起きたり、内分泌ホルモン(甲状腺、性ホルモンなど)の機能障害が起きることによって、エネルギー不足、ホルモン機能低下からの慢性疲労、うつ様症状を呈する方が多く見られます。このように、有害重金属はエネルギー産生に重要なミトコンドリアの代謝回路を障害し、コルチゾールの産生機能を低下させ、各種ホルモンの代謝を妨げるのです。
また、脳神経自体を障害する可能性もあります。脳神経自体が障害されれば、当然脳機能の低下(思考低下、うつ様症状、その他)をきたします。
他にも、水銀などは腸内環境悪化の一因にもなります。腸内環境悪化による疲労症状、うつ症状を呈している方は多く見られ、その場合には「広範囲大便検査」「GI360」「フローラバランス検査」で腸内環境をチェックする必要があります。

「腸内環境」「腸内フローラ」「リーキーガット症候群」「リーキーブレイン症候群」

「疲労・うつ様症状」は、「腸内環境」からも大きく影響を受けています。「疲労やうつに腸が関係あるの?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、実は密接に関係しているのです。
腸は「第二の脳」と呼ばれることもあり、身体全体に影響を及ぼしたり、脳をコントロールすることもあります。特に脳への影響は「うつ様症状」「不安やパニック」に関連します。腸内では神経伝達物質であるセロトニンやセロトニンの元となる物質を産生しています。腸内環境が悪くなるとこれらの物質が産生されなくなり、脳内はセロトニン不足の症状が出てきます。そして精神状態が悪化する可能性があります。これを「腸脳相関」といいます。また、腸内ではセロトニン以外にも神経伝達物質を作るための栄養成分(ビタミンB6やナイアシン、鉄、マグネシウムなどのミネラルなど)の消化吸収が行われるため、腸内環境の悪化はそれらの成分の吸収を悪くし、精神状態を悪化させることを意味します。また、それらの成分はミトコンドリアの機能とも直結しているため、ミトコンドリア機能低下によるATP(エネルギー)産生低下をきたし、疲労・うつ様症状が出てくるのです。
さらに、「リーキーガット症候群」に代表されるような腸内の炎症が起こっている場合、炎症を抑えるためのコルチゾールが24時間、365日産生され続けます。コルチゾールは副腎で産生される抗炎症ホルモンのため、長期間にわたり産生し続けなければならない状態が続くと、副腎が疲れ果てる、もしくは、その司令塔である視床下部、下垂体(HPA軸)が疲れてしまい、「副腎疲労」の状態に陥ります。この一連の流れが、「慢性疲労」「うつ状態」を引き起こします。
「リーキーガット症候群」とは、腸内フローラ(腸内細菌叢)のうち善玉菌の乳酸菌やビフィズス菌が減少したり、カンジダ菌などのカビが増殖したり、食物アレルギー反応などにより腸粘膜が障害され炎症を引き起こす状態をいいます。「腸に穴があく」とも表現され、本来血中に入ってはいけない蛋白成分、未消化成分、炎症物質などが血液中に流入することなどにより、アレルギー反応を示したり、精神症状、疲労症状、原因不明の症状を呈したりすることがあります。
この時、同時に脳と血管の間に存在するバリアー、血液脳関門(BBB)にも穴が空き、「リーキーブレイン」と呼ばれる状態にも陥ります。そうなると、炎症性物質などが脳内にも入り込み、脳機能を低下させてしまいます。このリーキーブレインの状態も「疲労、うつ症状」「不安、パニック」に関連します。

「ホルモンの影響」

実は、疲労・うつ様症状において、男性ホルモン(男性更年期、LOH症候群)、女性ホルモン、その他内分泌ホルモン(甲状腺ホルモンなど)の影響も大きいのです。更年期である人はもちろん、そうでない人も、更年期の有無にかかわらずホルモンバランスは崩れます。これは、食べたものやストレス、重金属の蓄積、環境汚染物質による影響、その他様々なものが要因となっている場合が多い様です。これらの原因を探りつつ、採血または尿検査によりホルモンバランスをチェックします。
特に男性ホルモンである「テストステロン」は、脳内でも産生されており、脳内での産生が低下すると脳神経の萎縮、記憶力の低下、気力の低下などを引き起こし、うつ、疲労症状を感じるようになります。テストステロンとミトコンドリア機能は密接に関連しているため、テストステロンを上げる作業とミトコンドリア機能を上げる作業の両方が、治療として必要になります。女性にも少量ながらテストステロンは産生されており、これが精神状態に影響している可能性も指摘されています。この場合も、ミトコンドリア機能を高めてホルモン産生を促す必要があります。上記と同様のことは、女性ホルモンにも甲状腺ホルモンにも当てはまり、ミトコンドリアの機能を回復させることが重要な因子となります。

治療について

身体からくる「疲労・うつ様症状」と判断された場合、食事内容の調整、副腎機能・コルチゾール産生を正常化するためのハーブや栄養素の投与、ミトコンドリアの機能を高める治療(ミトコンドリア活性療法/点滴・プラズマ療法)、自律神経の調整、腸内環境の改善、デトックス(解毒)、天然ホルモン補充などを行い症状の改善を図ります。中学生、高校生の起立性調節障害や、副腎疲労の場合、隠れたストレスも存在しうるため専門カウンセラーによる「メンタルサポート」を行う場合もあります。

3. 心(魂)からくる「疲労・うつ様症状」

心理・深層心理(魂)・人生のステージ転換期 由来のうつ様症状
カウンセラーからのメッセージ
仕事に行き詰った。人間関係のトラブルに疲れた。この先どうしたらいいのか分からない。
自分を変えたいがその方法が分からない。生きる意味と目的、使命がわからない。
など、うつ様症状にも、さまざまな要因があります。

(1)外因及び生得 由来
a.トラブル、PTSDなどによる、急性のうつ。
b.実際は双極性(そうウツ)なのに、うつに誤診されている場合。
c.他者へ配慮しすぎることによるうつ。

(2)超自我及び心理 由来
d.自分の中の厳しい声(ねばならぬ、お前はダメだ!)、罪悪感との葛藤に疲弊して起こるうつ様症状。
e.周りから怠けているように思われがちだが、実際はがんばりすぎていて起こるうつ様症状。
f.そう的防衛によるスプリッティングのため、自分ではうつと気づきにくい焦燥感。

(3)自己成長・自己実現 由来
g.安心、安全な休息の必要性をつげるためのうつ様症状。
h.心理的成長のためのうつ様症状。
i.自己実現に向かうための、変容の器としてのうつ様症状。

a~iは単独であることは少なく複雑に関係しあっていることもあります。
ただ、(1)~(3)のカテゴリーについては、対応方法が全くことなりますので、これらがどのように重なり合っているのかをしっかりと分析することがとても重要です。

さらには、現在の心理的状態、仕事の状況、人間関係、体調(更年期等)、幼いころに見た夢、最近見た夢、成育歴、家庭環境、家族の状況(介護、病気)、自分史、などを総合的に判断し、適切なカウンセリングや、自己実現のためのセッション、ワークなどをオーダーメイドで行っていきます。
さらには、ご本人も気づいていない、魅力や才能も引き出していきます。

心理・深層心理(魂)・人生のステージ転換期 由来のうつ様症状

「・・・この先、どうしたらいいのか分からない。」

仕事の行き詰り。恋愛、結婚の行き先不安。夫婦のいざこざ。出産の有無。子育ての難しさ。人間関係のトラブル。親との葛藤。大切に思う方の体調不良。原因不明の突発的症状など・・・。
人生とは、どんなに真面目に一生懸命生きてきたとしても、思いもよらない壁にぶつかったり、予期せぬトラブルやアクシデントに遭遇することもあります。

そして、屈辱感や、だれにも認められていないような感覚、孤独と不安に押しつぶされそうになることもあるでしょう。

そのような人生岐路の中で、うつ様症状が表れている場合は、医療モデルとは異なる、深層心理学(ユングのセルフ・魂の概念)や、自己実現の観点が関係している場合もあります。

深層心理学では、そのような背景で起こるうつ様症状を、「あらたなステージへの転換期」また、「成長と進化のためのチャンス期」ととらえ、とても大切な人生の通過点として考えていきます。

その上で、自分の内面と向き合いながら、「自我」と「魂(本当の自分)」とのズレ、ギャップを修正し、あなたの人生の進むべき道にピタッと合った、命の流れを取り戻していきます。
自分に厳しくムチを打ってがんばって乗り越えていく人生から、ありのままの自分を愛し、認めてあげる人生へとシフトさせていくのです。

そしてもう一度、人生を仕切り直し、幸せを実感できるよう、現実的な日常を調整しなおしていきます。
きっと、希望の光が差し込み、目の前がパッと明るく開かれるような感覚に出会えることでしょう。

治療について

心(魂)からくる「疲労・うつ様症状」と判断された場合、専門のカウンセラーに医療連携としてご紹介いたします。当院においては「栄養療法」「ミトコンドリア活性療法」を中心とした身体のケアを行いながら、専門のカウンセラーによる「心、魂のケア」を行っていきます。「身体のケア」と「心、魂のケア」の両者を併用することでそれぞれ単独で治療するよりも早い回復が見込めます。
(当院が提携しているカウンセラーのHPです。)